INFOMATION
みのり通信2026年4月号
INFOMATION2026.04.01
院長より
先月のニュースレターで待合室の工事とユニットの入れ替えのことについて書きました。
原稿を書いたときはまだ工事が終わっていなかったので写真を載せることができませんでした。
今までは同色で揃えていましたが、今回ユニットは3台、異なる色にしました。青、紫、茶色です。
クッションも今までよりも柔らかいので皆様に好評です。
待合室は天井が吹き抜けなので足場を組まなければならず、連休を利用しての工事となりました。
今までさほど汚れているとは思わなかったのですが、張り替えてみると明るくなりました。
トイレのクロス等も貼り直し、すっきりとした印象になりました。
還暦を過ぎて銀行にお金を借りての設備投資となり、まだまだ頑張って働かなければなりません。
3月は当院に通院しているたくさんの子どもたちが卒園、卒業しました。
お母さんのお腹の中にいる時からのお付き合いの子どもさんもおられ、成長した姿が眩しいです。
歯磨きのチェックに「染め出し」を行いますが、170~180㎝と成長した長身の男の子たちは、唇を「イー」と広げて見せてくれる時に膝を折ってかがんでくれます。どの子もとても優しいです。
受験が終わり、無事希望校に合格した女の子が久しぶりに受診してくれました。
帰り際に「先生、一緒に写真撮ってください」と言ってくれました。
幼稚園から診てきた子どもさんなので、お年頃の素敵な女性に成長した姿を見て感無量でした。
大学生になっても長期休みの時はメンテナンスに来てくれる子も多く、赤ん坊からお年寄りまで通ってくださる歯科医院ならばの光景だと思います。
認知症の予防と口腔ケアの関係
先日、保険医協会のオンラインセミナーを受講しました。講師は九州大学歯学部の武先生です。
武先生は歯周病が認知症と関りがあることを多くの論文で発表され、新聞テレビ、雑誌でも何度も取り上げられていたのでとても良い機会だと思い申し込みました。
炎症は、身体の損傷や感染に対する生体防御反応として非常に重要です。
しかし、全身性慢性炎症(low-grade systemic chronic inflammation, SCI)が心血管疾患、がん、糖尿病、慢性腎疾患、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患、自己免疫疾患や神経変性疾患(認知症を含む)につながる可能性が明らかになってきました1)。
国立長寿医療研究センターのもの忘れセンターを受診した183人について、歯周病の検査を実施したところ、慢性歯周炎のあるヒトはないヒトに比べて、明らかに認知機能が低下していました2)。
また、台湾で50歳以上の⻭周病患者9291⼈と健康な1万8672⼈を10年間追跡した結果、慢性⻭周炎のある⼈はない⼈と⽐べてアルツハイマー病発症のリスクが1.7倍⾼くなったことが報告されています3)。
さらに、アルツハイマー病で死亡した患者の脳組織からは、代表的な⻭周病菌であるPorphyromonas gingivalis(P.g.菌)の出す毒素が⾼頻度に検出されるが、正常なヒトの脳組織では検出されない、という報告もあります4)。
また、虫歯の代表的な原因菌がS.mutansですが、これが脳血管疾患に関わっているという報告があります。
認知症は7割がアルツハイマー型認知症、2割が脳血管性認知症です。
なんと歯科の2大疾患が、認知症の9割に関連しているのです。
現在まだ認知症の特効薬はありません。
発症のリスクを下げるために何ができるでしょうか。
一つは「口腔ケア」です。
武先生は単なる歯みがきではなく、デンタルフロスや歯間ブラシの使用や薬用成分配合ハミガキ剤を使うこと、年に3〜4回の定期的な歯科受診を勧めておられます。
歯ブラシだけで除去できる汚れは6割程度とされています。
P.g.菌などの悪性度の高い菌を除去するためにも歯間部を清掃しましょう。
また、「脳のどの場所が体のどの部分を動かしたり、感じ取ったりしているか」を示したペンフィールドの脳地図というものがあります(図1)。
これを立体的に表したものがホムンクルス人形です(図2)。
これらを見ると、口と手が脳の中でいかに大きな面積を占めるかが分かります。
以前認知症の患者さんを多く診ておられる内科の先生が「細い歯ブラシを持って小さい口の中で動かすという作業は認知症になるとできません。それくらい歯磨きは難しいんです」とおっしゃっていました。
手と口を同時に使って行う歯みがきは、脳の広い範囲を刺激するのです。
日本人はフロスや歯間ブラシを使っている人の割合が低いのですが、認知症予防のためにもぜひ取り入れてみましょう。
編集後記
アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことで石油の輸入が困難となり、様々な影響が出てきました。
医療用の手袋など、購入にも個数制限がかかり、値段もかなり上がっていて、コロナの時を思い出します。
あの時はマスク、手袋など注文してもいつ届くか分からず、通販のサイトをこまめにチェックし、爆上がりした値段でも買っていました。
今は当時と比べて円安になっているため、さらに影響が大きいかもしれません。早く落ち着いてくれることを願います。
今月からいよいよ新年度です。
こうした不安定な状況の中でも、気持ちを新たに前を向き、一日一日を大切に過ごしていきたいものです。


