お知らせ
みのり通信2019年9月号
お知らせ2019.09.01
院長より
8月は暦の関係で長くお盆休みを取れた方もいらっしゃるかと思います。
けれども香港のデモで飛行機が欠航になったり、台風で新幹線が止まったりと気をもんだ方もいらっしゃったかもしれません。
私はお盆休みにお墓参りに行きました。台風の前の独特の夕焼けでした。
父のお墓が北九州の方なので年に1、2回しかお参りできません。
叔父から「◯◯家は遠い親戚」などと聞いた記憶を基に、何軒かのお墓にもお線香をあげて帰ります。
その中に「◯◯陸軍少尉の墓」など太平洋戦争で亡くなった方と思われるお墓もあります。
今まで私は自分が生きている間は日本が戦争に巻き込まれることはないだろうと漠然と考えていましたが、最近の世界の動向を見ていると少々不安を覚えます。
先日、大庭みな子さんという作家についての新聞記事を読みました(恥ずかしながら私はこの方の小説を読んだことはありません)。
彼女は終戦直後に救助隊として広島の爆心地近くの小学校に動員され、その惨状を目の当たりにしましたが、米国に日本がひどいことをされたという感情が不思議に起きなかったそうです。
「日本も原爆を開発していれば使ったでしょう。戦争するという『欲望』の中に原爆に遭うことが含まれているのです」と語っていたそうです。
「欲望」で生きる人間が「欲望」によって殺されることについて考え続けた作家だったという論評が載っていました。
アメリカと中国、日本と韓国の貿易問題、日本とロシアの領土問題など国と国の関係はいつの時代も難しいものです。
民族が異なり、歴史背景が違う国の人と波風を立てないということは相当の外交努力が必要ではないかと思います。
日常を振り返ってみると平凡な庶民である自分の生活の中にも怒りや憎悪の感情を全く抱かないで過ごすという日はほとんどありません。
子供の言動に腹を立てたり、仕事でイライラしたりと日常茶飯事です。
「あれが欲しい、これが欲しい」、「あの人が◯◯してくれたらよいのに・・・」などというエゴともいえる「欲望」にどの程度自制心をもって自分を律することができるのか、と考えた新聞記事でした。
先月、幼稚園に通う可愛い患者さんから「先生、ハイ」と折りたたんだ小さな紙をもらいました。
開けてみると、可愛いお花の絵とともに「ありがとうございます。またよろしくおねがいします」とありました。
素敵なお便りに疲れも忘れてしまいました。
そして夏休みは、大学生や社会人となって佐賀を離れた子どもたちが帰省のついでに、と検診に来てくれることがあります。
成長した彼らを見ると「こんなに立派になって」と胸がジンとします。
虫歯の治療や矯正治療、そして予防歯科と成長期に関わった子供たちが立ち寄ってくれる。医療者冥利につきます。
これからも町医者として赤ん坊からお年寄りまで全力で診療してまいります。
健康お役立ち情報
今月はレーザーについてご紹介します。
当院が使用しているのはイスラエル製のライトタッチ・レーザーです。
レーザーにもいろいろな種類があります。
かつては半導体レーザーを使っていました。
このライトタッチレーザーはエルビウム・ヤグレーザーという種類で、虫歯や骨などの硬組織も削ることができます。
そして、何よりの特徴は強力なキャビテーション」(水圧壊)によるプラズマ殺菌により、歯周病菌や虫歯菌を殺すことができるということです。
臨床で治療の対象となる虫歯は象牙質まで感染しています。
象牙質は象牙細管が集まってできているもので、1本の歯で約4.8kmもあると言われています。
目に見える細菌歯質は可能な限り除去しますが、完璧な殺菌を行うことは不可能です。
今まではバーで削って金属やプラスチックの詰め物を行う治療が当たり前でしたが、このレーザーを使うことで虫歯の再発のリスクが下がることや歯周病の改善が見込めるようになりました。
更にオゾン水を使うことで効果が上がります。
当院には血液オゾンを行うための器械があり、それでオゾン水を生成することができます。
8月に専用のボトルがドイツから届きました。
詳細は来月ご紹介しますが、少しでも治療効果が上がり、ご自分の歯を長く使うことができるよう早く診療に取り入れたいと思います。