INFOMATION
みのり通信2025年12月号
INFOMATION2025.12.01
院長より
先月京都に行きました。
主人が手術して以来、探し当てた和田先生のクリニックを受診するためです。
先生は「食事の大切さ」を患者さんに説いていらっしゃいます。
先生のクリニックでは、ステージⅣの癌患者さんでも通常の施設よりも生存率が高いことで知られています。
我が家も先生の教えをできるだけ実践し、主人は大好きなテニスを楽しむことができるまで回復しました。
娘が京都に行くなら有名なお蕎麦屋さんがあるけど閉店するらしいから食べてくれば、と教えてくれました。
主人が問い合わせをしてみると、1~2時間は並ぶということでした。
クリニックのすぐ近くだったので、行ってみると長蛇の列。
どうしようかと思いましたが、500年を越える老舗の蕎麦屋さんということで、1時間半ほど並びました(骨折からの回復を実感)。
昔ながらの建物で維持費が大変であること、人件費や物価の高騰などが原因のようです。どの業界も厳しいですね。
私たちも銀歯の材料である金銀パラジウム合金の仕入れ値が一袋13万円以上しますが、厚労省が定めている料金は11万円程度なので、1年間に何十万円も手出しをしている状態です。
保険点数は2年に1度の改定なので、どれだけ材料代が上がっても点数は変わりません。
特に都会の先生方はテナント料や人件費が高いので大変だと思います。
ただ、不平不満を言ったところで仕方がないので、いろいろと工夫しながら頑張ろうと、おそばを食べながら思いました。
今年の夏は暑かったので京都市内の紅葉はまだ見ごろではない(11月20日時点で)とホテルの方に言われましたが、せっかくだから新幹線に乗るまでの時間にどこか見ようということになり、東福寺に行ってきました。
駅からお寺までぞろぞろと人の列が続き、和服姿の外国人観光客の姿もあり、オーバーツーリズムを実感しました。
重要文化財の指定を受けているだけあって素晴らしい庭園で、圧巻の風景でした。
深紅の楓の間に松の緑が美しく、しばし日常を忘れさせてくれました。
水路に浮かんでいる深紅の葉っぱに「ちはやぶる神代もきかず 竜田川からくれなゐに水くくるとは」という高校時代の古典の授業で習った在原業平の百人一首の句を思い出しました。
来年は午年です。
蒼天を駆ける馬のように飛躍の年になることを願いましょう。
毎日の食事が未来の健康をつくる
日本では2人に1人ががんに
今日本人では2人に一人はがんになると言われています。
ところが、アメリカではがんによる死亡者数が減少しています。これはどういうことでしょうか?
アメリカでは食生活と健康の関係を調査し、1977年にマクガバンレポートというものが出されました。
要約すると、過食を控える、野菜・果物・全粒穀物を増やす、肉類や砂糖、塩分の摂取を減らす というものです。
2011年にはアメリカでは心筋梗塞の死亡者数が58%、がんによる死亡者数が17%減ったそうです。
和田洋己先生が気づいた「食事」とがんの関係
冒頭にも書きましたが、京都に和田洋己先生というドクターがいらっしゃいます。
京都大学の名誉教授で呼吸器外科が専門でいらっしゃいます。様々な学会の会長や理事をなされた医学会の重鎮です。
その先生が定年退官前に「余命半年」と診断した患者さんがいらっしゃいました。
3年後に別の病院でその患者さんに出会ったので驚いたそうです。
その方は食事を変えた、とおっしゃったので、先生は「食事ががんに与える影響」について世界中の文献を調べました。
するとそのような症例報告がたくさん見つかったそうです。
体を酸性からアルカリ性へ ― 食事がもたらす変化
先生はいわゆる標準治療を否定するわけではありません。
ただ、体が酸性だとがんの再発や転移が起こりやすいので、体をアルカリ化するような食事をしなさいという指導をされます。
基本的には「植物性の食材を中心に精製、加工されていない物を丸ごと食べる」というものです。
野菜は1日400グラム、併せて果物やキノコ類を多く食べる、塩分を控える、タンパク質は大豆などの植物性タンパク質や青魚から摂取する、乳製品(特に甘いケーキ)の摂取を控える、など気を付ければできることです。
そして、体がアルカリ化しているかどうかは尿のPH値を測ります。尿PH値を7.5から8以上に維持できれば癌がおとなしくなります。
そもそもよほど小さな癌でなければ腫瘍を全摘しても体の中にがん幹細胞がいるので、体が酸性だとまたそれが頭を持たげてきて再発、転移という経過をたどることになります。
食事が整っていないと、薬や点滴もうまくいかない
主人が癌と診断された時、がん幹細胞を調べるCTC検査を行いました(日本では保険診療には入っていないので、海外で検査します)。
結果はあまりよくなかったので、心配していたら術後3か月目に再発しました。
それから様々調べて和田先生の本に出会い、セカンドオピニオンを受けました。
以後食事療法に取り組み、朝夕2回、尿のPHを測っています。
クリニックの管理栄養士さんも、「高濃度ビタミンCの点滴や薬も効果があるけれども、食事が整っていない人はやっぱりうまくいかない、食べ物大事です」とおっしゃっていました。
食品添加物大国・日本
今は加工食品が多く、お腹が空けば手軽に食べることができます。でもその中にどれほどの食品添加物が入っているでしょうか。
イギリスやイタリアは20品目程度しか認可されていませんが、日本では1500種類もの食品添加物が認可されています。
そして、先月のニュースレターにも書きましたが、発酵食品や野菜をしっかり摂っているでしょうか。
がん細胞が1センチの大きさになるには10年くらいかかると言われています。
日々口にするものに気を付けることで病気を予防することができるのであれば心強いと思いませんか。
編集後記
いよいよ師走。
今年も残りわずかとなりました。
毎年のことですが、あっという間に1年が過ぎていきます。
お正月にはあれこれと目標を立てるのですが、ほとんど達成できないまま年月だけが経っていきます。
60歳を過ぎてもその繰り返しです。
今年は6月に背骨を骨折して4か月コルセットを付けました。
最初の2か月は痛みが辛くて診療の合間に横になっていました。
通勤は主人や娘が車を運転してくれて、スタッフも「先生、顔色が悪いから休んでください」と声をかけてくれました。
患者さんからも「大丈夫?無理しないでね」と優しい言葉をかけていただき、皆様の優しさが本当に嬉しかったです。
まだ腰が痛いこともあり、体力も低下しているため、仕事も家事も満足にできていませんが、日常の生活ができるようになったことに感謝しています。


