INFOMATION
みのり通信2025年1月号
INFOMATION2025.01.08
院長より
新年あけましておめでとうございます。
昨年は調理師学校の講師を務めることになり、公衆衛生を担当しました。
人に教えるということが一番自分の勉強になりますね。
分かったつもりでいても、伝えることは難しいものです。
ですが、切羽詰まらないと行動しない私の性格は変わりません。
いつも講義の前の晩からスライドを作り始め、ほぼ徹夜という状況でした。
今年は準備を早めにしておきたいと思います。
公衆衛生と言っても医療や栄養学を交えてお話しました。
食品添加物や農薬などに関して調べたことは自分にとってもよい学びとなりました。
皆様にも知っておいていただきたい内容についてはこのニュースレターやLINEを通してお伝えしてまいります。
話は変わりますが、診療室にある観葉植物はいずれも開業時にお祝いにいただいたもので、22年が経過しました。
パキラは伸びすぎたら切っていましたが、また新芽がでてきて今に至ります。
もう1本の木(名前が分かりません)は3本立てでしたが、10年位して真ん中の1本が枯れてしまいました。
けれども残った2本は今も健在です。
昨年11月下旬のある日、主人が「ちょっと来て。これ見て」と言うので鉢を覗くと木の根元にきれいな緑色の芽が出てきています。
嬉しくなって診療後の片づけをしていたスタッフにも声をかけてしばらく皆で眺めました。
生きる力ってすごいですね。
ところで、昨年からはまっている食べ物をご紹介します。「厚揚げ」です。
今までは炊いていましたが、1回で食べきれなければ何度も鍋に火を通さなければならず、夏の間は食中毒も怖いので控えていました。
ふと思い立って、魚を焼くグリルで素焼きして柚子胡椒を乗せて食べてみるととても美味しく、ほぼ毎日食べています。娘も気に入っています。
たんぱく質はしっかり摂れるし、塩分は控えめ、そして何より簡単です。
今流行りの言葉で言うと、「タイパ」がよいということになりますね。
また、この時期ならではの簡単おやつ。サツマイモとリンゴを炊いてシナモンパウダーをかけます。
砂糖を入れなくても甘いですし、アップルパイより簡単です。
熟した柿にゆずをしぼるだけのジュレも美味しいですよ。
どのお客様からも褒められました。とっても美味しいので、ぜひお試しください。
意外と知らないビタミンCの役割
当院ではオリジナル処方のビタミンCを販売しています。
12月から新しい商品が納品されましたので、今月から数回にわたりビタミンCの作用についてご説明します。
ビタミンCは抗酸化作用(酸化を抑制する働き)による体の老化の予防、骨や血管のしなやかさを維持するためのコラーゲンの生成、免疫力の向上、鉄の吸収のサポート、ストレスに対応するためのコルチゾールというホルモンの産生などに関わっています。
疲れやすい、やる気が出ない、鼻血や歯肉からの出血が多い、肌荒れ、眠れない、風邪を引きやすいなどの症状がある方はビタミンCが不足している可能性があります。
ラットは体内でビタミンCを作ることができます。
東京都健康長寿医療センター研究所では遺伝子操作で体内でビタミンCを作れないマウスを作り、両方のラットをビタミンCの少ない餌(1日必要量の約2.5%)で飼育しました。
すると、普通のマウスの50%生存率は約24か月であったのに対し、遺伝子破壊マウスは約6か月と、約4倍の速さで老化が進行しました(図1)。
また図2のように人間も加齢とともにビタミンCが減少していきます。
これは、年を取ると腸からの吸収が悪くなることや消費量や排泄量が増えることなどが関係している可能性があります。
従って、意識してビタミンCを摂らなければ老化が進行する可能性があります。
また、同研究所が骨について調べてみると、遺伝子破壊マウスは普通のマウスに比べると背骨が曲がり、足は骨折していました(図3)。
骨の20%はコラーゲンからできています。しなやかなコラーゲンを作るにはビタミンCが欠かせません。
ビタミンCが不足すると骨も弱くなってしまうのです。
そして、別の調査では血中のビタミンC濃度が高いほど握力も高かったのです。
そこで、筋肉との関係を調べると、ビタミンCが不足すると足の筋肉も少なくなっていました。
けれども、またビタミンCを加えると筋肉量は回復するという実験結果が得られています。
骨や筋肉というとカルシウムやタンパク質を摂ればよいと思いがちですが、ビタミンCも関与していることがお分かりになったことでしょう。
ただ、果物を食べすぎると糖質の摂取過剰になってしまいますし、生野菜もそうたくさんは食べることができません。
サプリメントを上手に取り入れることも一つの方法だと思います。
編集後記
昨年は能登半島地震、日航機の事故と新年早々災害や事故に見舞われました。
そして夏は全国的な猛暑が日本列島を襲い、秋にはまた能登半島に大雨が降りました。
農業や漁業も気温変化による影響を受けているようです。
昨年12月には福岡県北九州市で中学生が塾の帰りに寄ったファストフード店で面識のない男に刺され、女の子が亡くなり、男の子が大怪我を負うという痛ましい事件も起きました。
亡くなった女の子のことを思うと今も胸が苦しくなります。
また、闇バイトによる強盗、殺人事件も数多くありました。
中学生や高校生が自らバイトに応募してしまう。金銭のために簡単に人の命を奪ってしまう。
何と恐ろしいことでしょう。暗澹たる気持ちになります。
毎年新年には「今年は大きな災害がありませんように」と祈りますが、今年は「強盗などの被害に遭いませんように」とも祈らなければなりません。
ともかく平穏な1年を過ごすことができるよう願うばかりです。