お知らせ
みのり通信2022年8月号
お知らせ2022.08.01
院長より
今年は例年になく梅雨明けが早く水不足が心配されています。
けれども、この原稿を書いている7月中旬には初の線状降水帯の予想が出され、全国のあちこちで大雨の被害が出ていました。
佐賀県でもこの数年間で何度も大雨に見舞われているので、気象情報には敏感になりました。
また、40度を超す猛暑を記録した地域もあり、熱中症にも気を付けなければなりませんね。
私が小学生の頃は、「今日は30度を超えました!」というニュースを読み上げるアナウンサーの声に「ああ、今日は暑かったんだ」と思ったものです。
今や35度を超えても驚かなくなってしまいました。
南ヨーロッパでは熱波のため多数の死者が出ているとか、山火事が多発しているなどのニュースを聞くと、今後地球はどうなっていくのだろうと心配です。
7月7日は七夕ですが、例年梅雨の真っ最中なのでなかなか天の川を見ることができません。
今年は雨が降っていなかったので期待しました。
夕焼けの茜色の雲がとてもきれいでした。
夜遅くに少し星を見ることができました。
さて、6月下旬に素敵なピアノコンサートに行ってまいりました。
当院に通院しておられる松藤様が「MATSUFUJIミュージックサロン」でトークコンサートを開かれたのです。
ショパンの没後13年の1862年にプレイエル社で製作されたピアノでの演奏会でした。
現在のようなピアノになるまでに様々な改良が加えられてきたことや(現代のピアノとは音質が異なりました)、ショパンやリストのお話、曲の背景など演奏の合間に松藤先生が解説してくださり、とても勉強になりました。
私も音楽が好きで、大学の教養課程の時に中学生でいったん中断していたピアノをもう一度習いました。
長女も一応ピアノを習いましたが、体育会系の娘なのであまり熱心に練習をせず、中学校で止めました。
ただ、発表会では親子で連弾をすることになっていたので、二人でピアノを弾いたのは良い思い出です。
娘は「今弾けるのは『ネコふんじゃった』くらいかな」と笑っています。
次女は幼稚園からバイオリンを習いました。
こちらもなかなか練習をしないので、叱ってばかりでしたが、大学3年生まで続け、発表会ではいつも私が伴奏をしました。
「お母さん、難しかったら無理しないでピアノの先生に頼めばいいよ」と言う娘に「お母さん頑張る」と虚勢を張って、発表会の1カ月前くらいから仕事から帰ると猛練習して、喧嘩をしながら音を合わせたものです。
(そのようなことができたのも母がご飯を作ってくれていたからですが)
ショパンの時代は今のような大きなホールではなく、貴族の邸宅のサロンでの演奏が多かったようです。
当時は電気もない時代ですから、ピアノの譜面立ての横に燭台を置いての演奏だったそうです。
コロナ禍で様々なイベントが中止となっていたので、当時のサロンを彷彿とさせる素敵なお部屋でのコンサートに久しぶりに楽しい時間を過ごすことができました。
それから、玄関に飾っているお花のレースの花瓶敷は患者様からいただいたものです。
80代半ばの患者様。
レース編みなど細かい手仕事がお好きだそうです。
すごいですね。
最近初診でお見えになった93歳の方は図書館でたくさん本を借りてこられるそうです。
夕方には目が疲れるようになってきた私もまだまだ頑張らなければなりませんね。
健康お役立ち情報
新聞のお悔やみ欄を見ると90歳以上で亡くなられる方がかなり多く、本当に長生きする時代になったものだと思います。
けれども、寿命が長くなった分、疾病も増えており、死亡原因の半数以上はいわゆる「生活習慣病」となっています(図1)。
最近受けたオンラインセミナーで、東京大学の飯島教授が便秘について触れておられました。
年を取ると筋力が弱くなるので、トイレでいきむこともできなくなることが便秘の一因にもなっているということでした。
図2の資料から60歳を過ぎると便秘の方がぐんと増えてくることが分かります。
図3のように日本人は食物繊維の摂取量が不足しています。
食物繊維とは糖質以外の炭水化物で水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維に分けられます。
食物繊維は腸の中でとても大切な働きをします(図4)。
特に水溶性の食物繊維は腸内細菌のエサになり短鎖脂肪酸を産生します。
これは腸上皮細胞の最も重要なエネルギー源であり、抗炎症作用など優れた生理効果を発揮します。
グアガムなどの食物繊維を摂ることで、便秘の改善、食後血糖値の上昇の抑制、インフルエンザ発症予防、不妊治療の成功率の向上などが報告されています。
生活習慣病を治すためには食生活の見直しが必要です。
何を食べるかはとても重要ですが、食べることができるお口でなければなりません。
噛めないお口だと、図5のように糖質過多の食生活となってしまうのです。
糖質を摂りすぎると最終的には脂質に変換されるのでコレステロール値が高くなってしまいます。
ヒトは体内でビタミンCを作ることができませんが、ビタミンB群は腸内細菌によってある程度作られます。
けれども歯が悪かったら野菜を食べることができませんね。
飯島先生は様々な食材を摂るほど認知機能は低下しにくい、ということもおっしゃっていました。
若い方は今後歯を抜くことがないようにメンテナンスを心がけましょう。
また歯が少ない方は適合の良い義歯を使えば大丈夫です。
義歯が合わないからと放っておくことがないようにしましょう。
そして、何でも食べることのできるお口でピンピンコロリを目指しましょう。
なお、便秘がひどい方はグアガムなどのサプリメントをしばらく試してみるのもよいと思います。
当院で2種類扱っていますので、試してみたい方はご相談ください。