お知らせ
みのり通信2022年11月号
お知らせ2022.11.01
院長より
早いもので、今年も残り2カ月となりました。
コロナに振り回されて間もなく3年になります。
この冬はインフルエンザの流行も懸念されていますので、自己免疫力の向上に努めましょう。
9月、10月と東京に行きました。
9月は機能性医学の勉強を兼ねたものでした。
泊まったホテルが豊洲市場の近くでした。祭日も見学はできるということで覗いてみました。
その広さに驚きました。
午前2時くらいから魚が運び込まれ、5時から競りが始まるそうです。
本場の競りを見てみたい気持ちもありましたが、さすがに4時半に起きるのは無理だと思い、諦めました。
10月は私が大学生の時に奨学金をいただいた「小森記念財団」の40周年記念式典に出席するために上京しました。
日帰りも考えましたが、どうせ行くならと矯正の師匠にお願いして前日の夜に今悩んでいる症例を相談してきました。
夜10時近くまで教えていただき、ありがたいことでした。
「小森記念財団」は丸大食品の創業者である小森敏之氏が創設された財団です。
記念講演の中で、小森氏がお若い頃市場で買った冷凍のマグロの頭を乗せたリヤカーを引き、奥様がリヤカーを押して工場まで運び、スプーンで魚肉を掻き出してソーセージを作ったという創業時のお話がありました。
事業が大きくなり、海外を視察された際は、外国語が話せないことが残念で、能力があるのに経済的恵まれないことで学ぶことを諦める学生のことを憂慮して、私財を基に財団を設立されたということです。
40年間で740名の学生に返還義務のない奨学金を与えてくださいました。
私は歯学部ですので、6年間奨学金をいただきました。
専門課程に進級してからは実習などで忙しくあまりアルバイトもできず、また専門書も高いので本当に助かりました。
30周年の式典に参加した際はリーマンショックの影響で株の無配当が続いているというお話を伺ったように記憶しています。
そして長期にわたる低金利で財団の運営も大変だということですが、今も毎年奨学生を選び、援助してくださっています。OB,OGが各分野で活躍していることが財団への恩返しかな、と思っています。
式典には多くの卒業生が参加して、感謝の気持ちを述べました。
今年卒業した方などは私の子供と変わらない年齢なので、微笑ましく見ていました。
1期生の方は還暦に近い年齢です。
40年前に蒔いた種が実を結び、次の世代に繋がっていくことに今は亡き創業者も目を細めてご覧になっておられるのではないでしょうか。
同じテーブルでは30周年の時にお目にかかった方々とご一緒で、「もう10年経ったんですね」と話が弾みました。
皆さん会社の役員や弁護士さんという立派なお仕事をなさっておられ、海外勤務のことなど異業種の方のお話を聞くことができてとても楽しいひと時を過ごすことができました。
当院も今年20周年を迎えましたが、今に至るまでには様々な方のお力添えをいただいたことに感謝の気持ちしかありません。
「先生、まだまだ働かんばよ!」と言ってくださる患者様のお声を励みにこれからも学び続け、皆様のお役に立ちたいと思います。
ところで、歯科業界でも値上げラッシュが続いています。
大変心苦しいのですが、歯ブラシなどのデンタルケアグッズ、サプリメントなど一部商品が対象になります。
メーカーによって時期は異なりますが、来年にかけて値上げが続きそうです。ご理解いただきますようお願いいたします。
健康お役立ち情報
今月はビタミンCについてのお話です。
ビタミンCはとても重要な栄養素であるため(図1)、多くの動物は体内で合成しています。
けれども人間は進化の過程で合成能力が失われ、現代のヒトは外から摂取することが欠かせません。
日本では1日の推奨摂取量は100㎎とされていますが、これは欠乏症にならないための量です。
アメリカでは最高の健康状態を保つためとされる推奨量は2,000~6,000mgです。これを食品で摂るためには図2のようになり、とても食べられる量ではありません。
今年はコロナに加えてインフルエンザの流行も懸念されています。
図3のようにビタミンCを摂ることで風邪にかかりにくくなり、重症化のリスクも低くなることが分かっています。
また、ビタミンCはコラーゲンの生成にも欠かすことができません。
コラーゲンは体内のたんぱく質の3分の1を占めている重要なたんぱく質です。
細胞と細胞をつなぎ合わせ、体のあらゆるところで活躍しています。
コラーゲンはたんぱく質、鉄、ビタミンCが原料となって作られます。
材料が足らず、コラーゲンが作られなくなると、細胞と細胞が離れやすくなります。
例えば血管に隙間ができてしまうと血がにじみ出てしまいます。
歯磨きで血が出ることが一例です。また、骨の半分はコラーゲンなので、骨折しやすくなります。
図4のようにビタミンCはコラーゲンの合成能を高めることが分かっています。
図5のように加齢とともにコラーゲンが減少してしまうので、積極的にビタミンCを摂るようにしましょう。
当院では治療の前に皆様にビタミンCを差し上げていますが、これには次のような理由があります。
歯科治療は鋭利な器具を使う処置が多いため、一過性の菌血症(血流に細菌が存在する状態)を引き起こします。
例えば歯石を摂ると、その数分後には腕の血液から歯の細菌が出ることが分かっています(図6)。
健康な方であれば問題はありませんが、糖尿病や心疾患を持っている方には重篤な影響を及ぼすことがあります。
そのため、ビタミンCを飲んでいただいております。
現在多くの患者様が栄養に関心をお持ちになり、ビタミンCなどのサプリメントを購入されています。
より良い製品をお届けしたいという思いから、半年以上かけて当院オリジナルのビタミンCを開発しました。
日本で販売されているビタミンCの原料は93%以上が中国産ですが、当院ではイギリスの遺伝子組み換えでないトウモロコシ由来の原料を使用しました。
また、口腔乾燥症の方が多いため、セラミドを配合しました。
肌や粘膜の保湿にはセラミドが重要(図7)。
こちらはパイナップル由来です。
これから寒い季節に向かいます。
病気にならないためには栄養、睡眠、運動という基本に加え、サプリメントも上手に活用してみてはいかがでしょうか。