INFOMATION
みのり通信2021年9月号
INFOMATION2021.09.01
院長より
8月13,14日と大雨に見舞われました。
2年前と同じような状況でした。
14日にクリニックの様子を見に行こうと主人の車で出かけたのですが、片田江交差点付近で動けなくなっている車が数台あり、また龍谷高校方面から来る車の水の浸かり具合からこれ以上進むのは危ないと思い、断念しました。
床上浸水していたらユニットやパソコンが動かなくなる可能性があるのでとても不安でした。
幸い水の被害はなく、ほっとしました。
子どもが松原川の鯉が道路で泳いでいる動画がアップされていると見せてくれま した。
2年前もありましたね。
水が引くまでに川に帰ることができたでしょうか。
15日に松原川の横を車で通った時の写真です。
岸の草が泥で汚れています。
水位が高かったことが分かります。
毎年全国で大きな自然災害に見舞われています。
さりとて引っ越しや建て替えなどは簡単にできるものではありません。
年を取ってから災害に遭い、仮設住宅に入らなければならなくなったら、と考えるとぞっとします。
これから台風シーズンを迎えます。
昨年は経験したことがないような大きな台風が来るということで、ホームセンターからブルーシートや養生テープが早々に売り切れてしまい、ダンボールで窓ガラスを覆って準備しましたが、ほとんど被害がなく通りすぎてくれました。
今年も無事に豊穣の秋を迎えることができるように、と祈るばかりです。
ところで、無観客で行われたオリンピックが終わりました。
開催直前まで反対、賛成の意見があったようですが、アスリートの皆さんに対しては素直に応援したいと思いました。
4年に一度の大会にコンディションを合わせることはとても難しいでしょうし、自国開催でのプレッシャーもあったと思います。
たくさんの金メダル獲得にこちらも元気をいただきました。
けれども、「コロナに打ち勝ったオリンピック」というキャッチフレーズでしたが、新型コロナウイルスの蔓延はいまだ続い ています。
ワクチンを2回接種しても感染する方も出てきています。
基本的には十分な睡眠と栄養を取り、自分の免疫力を高めておくことだと思います。
以前もニュースレターでご紹介しましたが、国際オーソモレキュラー医学会ではビタミンC・D、亜鉛などを推奨しています。
当院で採血した患者様は軒並み血中ビタミンD 濃度が低かったです。
秋になり日差しが弱くなると体内のビタミンDの濃度が減少し、感染症のリスクが高くなります。
「罹ったら怖い」ことは当然ですが、「罹らないよう」予防に力を入れましょう。
ところで、8月13日の大雨の中を「相田みつお」展に出かけました。
来館者が少なかったので、ゆっくり、じっくり作品を見ることができました。
読みながらうなずいてしまうものがたくさんあり、絵葉書を数枚購入しました。
その中の一つです。「あんなにしてやったのに『のに』がつくとぐちが出る」。反省しました。
それから、「外灯というのはひとのためにつけるんだよな 私はとれだけ外灯をつけられるだろうか」。
歯科医師となって33 年経ちました。
あと10年は働くつもりですが、どれだけ患者様のお役に立つことができるでしょうか。
自分のできることを精一杯やっていこうと思います。
健康お役立ち情報
歯茎が腫れたり、口内炎ができると「がんじゃないですか?」と心配される方が多いです。
今月は口腔がんについてのお話です。
発生頻度は、がん全体の約1~3%で、決して多い数字ではありませんが、頭頸部がんの中でも口腔がんは近年、増加していて、年間約6000人が罹患し、約3000人が死亡しています。
一般的ながんと同じく60代、70代の罹患率が高いのですが、口腔がんの好発輝位20代や30代でも発症するケースが少なからずあります。
また、硬口蓋3.1% その他3.3%口腔がんの中で舌がんの割合は約60%ともっとも多く、次いで多いのが30~40%を占める歯肉がんになります(資料1) 。
最大の危険因子として考えられているのが慢性刺激です。
虫歯を放置していて尖った部分がいつも舌に当たっていることから発症したケースを久留米大学在籍中に何症例か経験しました。
合わない義歯を入れていることも原因の一つになります。
舌がんは初めは口内炎と見分けがつかないことも多いのですが、3週間くらい経っても治らないときや表面が塑造な時は癌を疑う必要があります(資料2) 。
歯肉がんは歯周病で歯肉が腫れているように見えることがあるので注意が必要です(資料3) 。
抜歯することでがん細胞をまき散らすと大変なことになります。
また、「前がん病変」というものがあります。
白板症や扁平苔癬という病気です(資料4,5) 。
将来がん化する可能性があるので定期的なチェックが必要です。
この1, 2 年、白板症を疑うケースが増えてきました。
がんとの鑑別には口腔外科で「生検」という組織検査を行いますが、当院ではまず「細胞診」を行っています。
これは病変部をブラシで擦過した検体を病理検査の会社に送って細胞の状態を調べてもらうものです。
医局にいたときに1年ほど病理部に出向して、舌がんの早期発見のために細胞診を臨床に取り入れるという仕事を教授から命ぜられました。
かなり高い確率でがんを発見することができたのです。
生検と違って検査の際の痛みもありません。
昨年から複数の細胞診を行いました。
幸い皆様、悪性ではなかったのですが、今は問題が無くても将来がん化することかあるので、メンテナンスの際にチェックしています。
口腔がんの手術を行うと、咀噌や発音、味覚に影響が出てきます。
また、進展例で顎骨を離断すると顔貌も変わってしまいます。
早期発見は何より大切です。
お口の中に異変を感じたらいつでもご相談ください。