みのり通信2021年8月号

INFOMATION

INFOMATION2021.08.01

休診カレンダー
院長より

オリンピックで連休が入り印刷の日程が厳しくなりそうでしたので、8月1日からニュースレターをお配りできるように、7月の半ば過ぎにこの原稿を書いています。
オリンピックは無観客での開催となりましたがどのような開会式となるのでしょうか。
いずれにしても歴史に残る大会になるのでしょうね。
7月は熱海の土石流や各地で豪雨による災害のニュースを目にしました。
2年前の水害を思い出します。今のところ佐賀では大雨が降っていませんが、台風シーズンが終わるまでは油断はできません。
風力発電もクリーンなエネルギーだと思っていましたが、山を切り崩して設置してある写真を見ると首をかしげてしまいました。
海洋のプラスチックの問題なども含めて自分たちの世代が豊かさや快適さを享受して、次の世代につけを回してはならないと思います。
けれども、35度を越す夏の暑さにクーラーなしでは過ごせません。
理想と現実はなかなか一致しないものです。

7月から診療の前に受付で血圧を測っていただくことにしました。
年配の患者様は降圧剤を服用しておられる方が多く、抜歯などの外科処置の際は今までもチェアサイドで測定していました。
けれどもご自分の普段の血圧をご存じない方も多いです。
麻酔薬の注射を打つとポンと血圧が上がります。
場合によっては胸がドキドキして気分が悪くなることもあります。
そのような時は別の麻酔薬を使いますが、一度そのような経験をすると麻酔に対する恐怖心を抱いてしまうことがあります。
あらかじめ血圧を測ることで麻酔薬の選択や処置の変更を行うことができ、リスクの軽減にもつながります。
そして若い世代の方はご自身の健康管理にも役立つと思います。
最初は受付がお声がけをしますが、2回目以降、または血圧計の使い方が分かっておられる方はご自身で測定なさってください。
記録紙をお渡しいただけましたら、カルテに記載します。

それから、昨年始めまではバースデー葉書をお出ししてご来院の際に粗品を差し上げていました。
コロナ禍の中、しばらくお見えになっていない方へのリコール葉書やバースデー葉書をお出しすることがためらわれ、1年以上は書いていません。
けれども、患者様が喜んでくださることは何かないかとスタッフと考えて、バースデープレゼントに骨密度測定を行うことになりました。
特に女性は骨粗しょう症は大きな問題となります。
若い間から骨の健康を意識した生活をしなければなりません。
1年に1回は骨密度を測りましょう。

健康お役立ち情報

最近受けたオンラインセミナーで、アメリカ人のファッションモデルで89歳の今も現役で仕事をしている方がいらっしゃるというお話がありました。
肖像権の問題で写真は出せないので自分で検索してください、ということだったので、早速探してみました。
たくさんの写真がありましたが、その美しさにびっくりしました。
日本人でも吉永小百合さんや岸恵子さんなど実年齢とはかけ離れた美しい方がいらっしゃいます。
当然努力をされていると思いますが、顔貌には骨の若さが深く関わっているということをご存知でしょうか。
「老け顔は頭蓋骨の老化」が原因の一つなのです。
人の骨量は20~40歳でピークになり、閉経後は急激に減少します。
その理由は、「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌量が減少するからです。
顔のシワやたるみの原因は、紫外線の影響など皮膚の老化もありますが、上下顎骨を含む頭蓋骨の老化も大きく関係しています。
頭蓋骨の老化によって骨がスカスカになり痩せてしまうと、骨の上にのっている皮膚や筋肉がたるんでしまいます。
また目の周りのくぼみ（眼嵩）も広がるため、クマやシワの原因となります。
つまり、頭蓋骨の老化に伴って容貌も老けていくのです（資料1) 。
加齢による変貌の変化
また資料2 を見ると、歯槽膿漏で歯が無くなった頭蓋骨と健康な歯を持った頭蓋骨のボリュームの違いが分かりますね。

歯がある人・ない人
上質な化粧品も皮膚に対する効果はあると思いますが、骨に対しては効き目はありません。
ではどうしたらよいでしょうか。
骨に良い栄養素をきちんととること、そしてよく噛むことです。
歯根に付いている歯根膜という薄い膜があります。
噛んだ刺激を骨に伝えるセンサーの役割を果たしています。
ですから、よく噛んで食べるということが若さを保つことにつながるのです（資料3)。
歯根膜の働き
患者様の許可を得て掲載させていただきましたが、早食いを改めてよく噛むこと1年間。
フェイスラインがシャープになられました。
運動や食事制限は特になさっていなかったということです（資料4)。
調整前・調整後
アメリカ・エール大学で50歳前後の女性114人を対象に、骨密度とシワの関係について調べた研究があります。
結果は、女性の肌と骨のたんぱく質のレベルには密接な関係があり、顔や首のシワがひどければひどいほど、その女性の骨密度は低く、将来的に骨密度低下による骨折リスクが高くなるということでした。
逆に、皮膚にハリや弾力のある人の骨密度は高い傾向にあったそうです。
従って、骨の健康を保つことで顔や首のシワができにくく、見た目を若く保つことができる可能性があるということです。
骨を健康に保つ栄養素などについてはまた来月ご説明致しますね。