みのり通信2020年12月号|佐賀市で歯医者をお探しならみのり歯科診療所へ

みのり歯科診療所

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お知らせ

みのり通信2020年12月号

お知らせ2020.12.01

みのり通信2020年12月号

休診カレンダー12月

院長より

今年もいよいよ残り少なくなりました。
新年はいつもたくさんの抱負を胸に抱え、やる気に満ちてスタートするのですが、師走に入るとほとんどの目標が達成できていない現実と直面します。
とりわけ今年は新型コロナウイルス感染症により今までの生活が大きく変わってしまいました。
様々な情報が飛び交い、「歯科治療によりコロナウイルスに感染する」というマスコミの誤報に不安な日々を過ごしたことも事実です。
今ではむしろ口腔を清潔に保つことがウイルス感染予防に有効であるという報告が多数発表されるようになり、今まで以上に責任感をもって診療しています。
けれども「万事塞翁が馬」という言葉がありますように、感染予防の観点からスタッフの導線も含めて消毒の方法や器具の見直しなどに取り組むことができました。
これは非常に勉強になりました。
さて来年になって急にコロナウイルスの問題が改善するということは望めないので私たちの生活も大きく変わることはないでしょう。
感染しない、重症化しないためにも自己免疫力を向上させることが大切です。
今までにも何回か触れましたが、睡眠、栄養はとても大切です。
年末の忙しい時期ですが、オーバーワークを控えましょう。

昨年12月のニュースレターにも登場した我が家の紫陽花。
11月にまた咲きました。
季節外れの紫陽花
もちろん夏のような大きな花ではありませんが、昨年よりも数が増えました。
クリニックではクリスマスの飾り付けをしているというのに不思議な感覚ですね。
地球温暖化の影響なのでしょうか、季節を勘違いしているようですね。
生活様式の変化、という点では個人的に大きく変わったことがあります。
今まではほとんどの講習会を東京で受けなければならず、時間的にも金銭的にも負担が大きかったのですが、最近ではオンラインで受講するスタイルが定着してきました。
仕事が終わってからまたは休日に自分の机で講義を聞くことができるようになり、体力的にも負担が軽くなっています。
あとで見直すこともできるため、知識の定着にも役立ちます。
これまでは自分とは無縁で高嶺の花だと思っていた資格(アメリカに試験を受けに行かなければならないので)もオンラインでセミナー受講、受験ができる今だからこそチャレンジしてみようかとも考えているところです。
来年、合格のご報告ができるよう頑張りたいと思います。

健康お役立ち情報

日没が早くなり、17時には暗くなります。
街には彩り豊かなイルミネーションとクリスマスソングが流れています。
この冬は咳をしたり、熱が出ると「コロナに罹ったのでは?」とドキドキしますね。
冒頭でも述べましたが、十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけましょう。
日照時間が短くなると体内で作られるビタミンDも少なくなります。
努めてお日様に当たるようにしましょう。
また、外出時にはほとんどマスクを付けるようになりました。
マスクの下では口呼吸をしている方が増えています。
お口が乾燥すると歯周病や虫歯のリスクが高くなります。
口臭の原因にもなります。
日本歯科医師会のホームページに鶴見大学教授である花田先生の「新型コロナウイルス感染症に負けない歯と口の健康づくり」という記事がありますので引用します。
炎症の進行

口腔清掃を怠ると細菌や毒性物質が上皮細胞を破壊します。
これが日本人の8割が罹患している歯周病の始まりです。
歯周病になると細菌や毒性物質が血管から全身に拡散します。
米国の報告では、歯磨き停止試験で56%の若者がエンドトキシン血症(※)を発症しました。
しかし、その後の口腔清掃により回復しています。
別の報告では、歯周病患者は食品を噛むだけで最大で40%がエンドトキシン血症を起こしました。
また、リンゴをかじるだけで血液培養で細菌が検出される病態である菌血症を発症する歯周病患者もいます。
歯科疾患が原因で菌血症やエンドトキシン血症を発症している人に新型コロナウイルスが感染すると免疫暴走(サイトカインストーム)の危険性が増加します。
また、唾液1mlあたり1億個の細菌が含まれていますので、唾液の誤喋も肺炎(誤喋性肺炎)に関係します。
Covid-19 の治療では抗生物質の投与も行われますが、副作用として腸管防御力が低下するのは避けられません。
そのときに唾液の細菌が腸に定着すると腸管の変調による炎症拡大を招きます。
以上をまとめると、歯と口の細菌や毒性物質は、循環器、呼吸器、消化器の3方向八拡散し、ほぼすべての臓器に慢性炎症を起こします。
平時ではそれが生活習慣病の危険因子ですが、緊急時では免疫暴走、 細菌性肺炎あるいは敗血症(感染症による死亡につながる重大な臓器障害)の危険因子になります。
そこで、国民の皆さまが歯と口の健康維持の重要性を理解し、菌血症とエンドトキシン血症を予防して、新型コロナウイルスの感染に備えることが大切です。
(※)新型コロナウイルス感染症の重症化に関わる細菌の毒性物質LPSが血液から検出される病態