お知らせ
みのり通信2020年10月号
お知らせ2020.10.01
院長より
さわやかな季節となってきました。
先月は大型の台風10号の襲来に備えて皆様事前に準備されたことと思います。
伊勢湾台風並みの強さということで、かなり怖い思いをしました。
診療所には雨戸がありません。
強化ガラスを使ってはいますが、もし窓ガラスが割れて風が吹き込んだら、室内の物が吹き飛んでガチャガチャになってしまうと大変だと、機械をくるんだり、カルテを段ボールに詰めたり、機械で動かせるものはレントゲン室に移動させました。
養生テープは早々に売り切れてしまっていたので、主人が段ボールを窓に貼りました。
母の足が悪いため、もし避難所に行くことになっても不便だろうとホテルを探しました。
6日の昼過ぎにようやく中洲のホテルが取れましたが、シングルしかないとのことで、一人ずつ泊まることになりました。
医院の準備を済ませて出発したのはもう夕方。
風が吹く中、ハンドルを取られながら福岡に向かいました。
飲食店も開いていないため、長女がスーパーでお惣菜などを買ってきました。
シングルなので部屋が狭かったのですが、一室に集まって、主人はビール、娘たちは酎ハイを飲んで、さながらキャンプ気分で一晩過ごしました。
翌朝、外に出てみると川沿いの柳の木が折れたり、ビルの外壁が落ちていたりしたので、自宅は大丈夫だろうかと不安に思いながら帰りました。
幸い、自宅も診療所も被害がなく、ほっとしました。
7日は休診にしていましたが、片づけをスタッフが手伝ってくれたので助かりました。
佐賀でも学校や公民館に避難した方が大勢おられたようです。
市役所の職員さんやホテルのスタッフの方々はご自宅やご家族のことが気になられたでしょうが、市民の安全のために働いてくださり、本当にありがたいことだと感謝しました。
これほど事前に注意を呼びかけられたケースは今までなかったように思いますが、皆さん準備をきちんとしたために被害も少なかったのでしょう。
けれども、豪雨や大型台風など、これからも自然災害への備えを心掛けなければなりませんね。
9月、10月と多くの学校で運動会が行われましたが、種目が少なく、保護者の参観も限られたようです。
早くコロナが収束し、安心して過ごせる日が来ることを願うばかりです。
そして朝晩と日中の寒暖差が大きい季節になります。
熱が出れば単なる風邪でも発熱外来を受診しなければなりません。
くれぐれも体調管理に努めましょう。
健康お役立ち情報
9月21日は敬老の日でした。
平均寿命が延び、元気なお年寄りが大勢いらっしゃいます。
当院にも70代~90代の方がたくさん通院なさっておられます。
よく噛めるお口であることが健康の源です。
資料1のように、歯がほとんどなく義歯を使っていない人は20本以上歯がある人と比べると認知症発症リスクが1.9倍、歯がほとんどないが義歯を使う人は認知症発症リスクが4割抑制されるという報告があります。
資料2はアルツハイマー型認知症患者と口腔の状態です。アルツハイマー型認知症の方は健康な人より早く歯が抜け始め、残存歯数が少なく、義歯を入れていないことが分かります。
体力的に元気な年齢から歯科医院に通院し、歯を守っていれば発症しない可能性もあるのです。
また、資料3のように残存歯が少なく、義歯を使っていない場合は、20本以上ある人と比べると転倒しやすいことが報告されています。
転倒により寝たきりになるリスクが高くなります。
「歯が無くても食べられる」ではなく、きちんと入れ歯を作りましょう。
資料4は歯が少ない人は医療費が高くなるというデータです。
そして、資料5は定期的な歯科検診を受けている人ほど年間医療費が少ないということを示しています。
今回のコロナでも言われていることですが、資料6のように口腔ケアが肺炎なども防いでくれるので当然医療費は少なくなります。
そして、残存歯が多い、またはきちんと義歯を使う方は肉や野菜などいろいろな食材を食べることができますが、歯が少なく、義歯も使っていない場合はパンや麺類など糖質中心の食事になり、たんぱく質やビタミン・ミネラルなどが不足してしまうので、生活習慣病などはなかなか治らないということでしょう。
今回、患者様のお許しをいただいて男女お一人ずつニュースレターに掲載させていただきました。
どちらの患者様も当院の開業当初からお見えになっておられます。
17年間1本も抜歯していません。
虫歯の治療も数えるほどです。
81歳の男性の患者様は背筋もピンと伸びてとてもしっかりしておられます。
98歳の女性の患者様、杖なしで歩かれます。
「なんでも食べられるわよ」とおっしゃいます。
口元も本当にきれいです。皆様、健康長寿のためにも定期的な口腔ケアを続けましょう!